『竹を託す者』

水は語る。
静かに、しかし確かに。

蛇口をひねれば、
その土地の記憶が一筋の流れとなって現れる。

竹匠は言った。
「お前は水道水に魅せられる覚悟があるのか」

私はうなずいた。
無意味を恐れず、無駄を抱きしめ、
ただ一滴の透明に未来を託す。

修行の果てに問われる。
「で、お前はどこの水道水に魅せられたんだ?」

私は竹筒を見つめ、静かに答える。
「——○○の水が、私の道でした」

その瞬間、
水脈は私を僧侶とし、
終わりなき水道水談義へと導いた。

END

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